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レジェントプロゴルファー が御殿場に集結!「第7回マルハンカップ太平洋クラブシニア」レポート

レジェントプロゴルファー が御殿場に集結!「第7回マルハンカップ太平洋クラブシニア」レポート
2020年8月28日から31日の4日間、太平洋クラブ御殿場コースでPGAシニアツアー「第7回マルハンカップ太平洋クラブシニア」が開催されました。(本戦は29日と30日の2日間)
主催は株式会社太平洋クラブ、主営 公益社団法人日本プロゴルフ協会(PGA)の50歳以上の男子選手が参加するシニアツアーの一戦、8月30日の本戦最終日では篠崎紀夫プロがシニアツアー初優勝を果たしました。

今回は本戦翌日の8月31日に開催された「プロゴルファー生誕100周年記念 夢の共演 Dream Charity Golf」と「プロアマフェスティバル」の様子を紹介したいと思います。

コロナウィルス感染症予防対策の上で挑んだシニアツアー

ゴルフ界に限らず、コロナウィルスの影響によって全国各地でプロスポーツの試合中止や自粛縮小が相次ぐなかで「どうしたら安心安全な試合運営が実現できるだろうか?」というPGA会長の倉本昌弘プロの強い思いのもと、新型コロナウィルス感染症拡大防止対策について、主催者と御殿場市によって繰り返し、情報・意見交換が行われました。

感染症予防策として、選手や関係者へのクラブハウスへの入場制限と事前のPCR検査、プレスやギャラリープラザ出店者などには抗原検査を実施するなど、選手だけでなく多くの大会関係者に対しても徹底した体調管理を実行しました。

さらに、来場するギャラリーには、入場ゲートでマスクの着用・検温・問診票の提出を義務づけました。
また、来場者へは協力を依頼するだけでなく、連日、大きな日傘の無料配布を実施。夏の日差しを防ぎながらソーシャルディスタンスも守れるという一石二鳥のアイデアに、来場者のみなさんも満足そうでした。

会場内では、ファンの日傘へサインするプロゴルファーの姿を頻繁に見かけ、今大会で新しいファンサービスが誕生したのを感じました。


「プロゴルファー生誕100周年記念 夢の共演 Dream Charity Golf」に挑戦した青木功プロ(左)、中嶋常幸プロ(中央)、倉本昌弘プロ(右)

競技前のインタビューもソーシャルディスタンスを保って行われました

当日、来場者に配られた日傘。日差しを遮り、ソーシャルディスタンスも守れると好評でした

イベント当日の8月31日は青木プロ78歳の誕生日。御殿場市長よりお祝いの花束が贈られました


太平洋クラブ御殿場コースでシニアプロのトーナメントが行われるのは初めて。本戦では篠崎紀夫プロがプレーオフを制して優勝しました

ゴルフ界のレジェンド3名による夢の競演が御殿場で実現

2020年は、1920年に福井覚治が日本初のプロゴルファーとなってから、ちょうど100年というメモリアルイヤーです。それを記念して、永久シードプロゴルファーの青木功プロ、中嶋常幸プロ、倉本昌弘プロによる「プロゴルファー生誕100周年記念 夢の共演 Dream Charity Golf」が開催されました。

ルールは、3人で協力しながら全9ホールを回り、1ホールにつきバーディ以上で「新型コロナウィルス感染症対策推進基金」として主催者の株式会社太平洋クラブから御殿場市へ100万円が寄附されます。もし、全9ホールでバーディを実現すれば、なんと”総額900万円”!

気温32度を超える猛暑のなか、レジェンドたちのプレーを一目見ようと、多くのゴルフファンや御殿場市民が集まりました。

チャリティーゴルフスタート前に中嶋プロから、
「二人には申し訳ないけど、僕は太平洋クラブ御殿場コースで3回も優勝しているわけですから。僕にまかせてください」
と余裕のコメントがありました。
(1985年 太平洋クラブマスターズ、2002年・2006年三井住友VISA太平洋マスターズ)

間近でレジェンドの選手のプレーが見えるということで、集まったギャラリーたちも固唾をのんで見守ります。
しかし、そこは歴戦を共に乗り越えた選手たちです。真剣なプレーの後には、息の合った掛け合いで会場の空気を和ませます。


78歳とは思えない青木プロの豪快なスウィング


倉本昌弘プロによる安定したパッティング

3名の息の合った楽しい掛け合いが会場を盛り上げます。ひじタッチで健闘を称え合う倉本プロと中嶋プロ

チャリティーゴルフ終了後、その様子を振り返る青木プロ(左)、中嶋プロ(中央)、倉本プロ(右)の3名

チャリティーゴルフ終了後に多くのファンに囲まれ、日傘へのサインに応じる中嶋プロ

地元御殿場出身の芹澤信雄プロも「プロアマフェスティバル」に参加

31日同日、会場では「プロアマフェスティバル」も開催され、シニアプロ1名と予選会で出場権を得たアマチュア3名による1チーム4名が、スクランブル方式でプレーしました。

シニアプロの中には、太平洋クラブ御殿場コースで開催されている「三井住友VISA太平洋マスターズ」に出場していた選手も多く、当時を思い出しながら、終始和やかにプレーをしているようでした。
また、参加したアマチュアのみなさんも、プロとのラウンドを楽しめる貴重な機会を楽しんでいたようです。

プレー中は、紳士的な対応でギャラリーへの声援に応え、プレー後にはサインに応じる。ファンサービスを行うシニアプロの姿が印象的でした。
初めてのゴルフ観戦は、シニアツアーがオススメというのは、こういった理由もあるのかもしれません。

そして、ラウンドを終えたばかりの御殿場小山ゴルフアンバサダーを務める芹澤信雄プロに御殿場市のゴルフ場の魅力についてお話を聞きました。

「御殿場は標高が高いので、プレーをしていても涼しく感じます。暑い日でも、日陰に入ると風が気持ちいい。
プレーするたびに御殿場っていいところだなあと実感しますね。
これだけたくさんのゴルフ場があって、その上、快適な環境なので、たくさんの人に来てもらって、ゴルフをプレーしてほしいですね」


インタビューに応じる芹澤信雄プロ。御殿場小山ゴルフアンバサダーとしても活動中


予選を勝ち抜いたアマチュアと一緒にプレーをする芹澤プロ

2018年にリース・ジョーンズ氏による設計で全面改修し、世界へ誇る国際水準のトーナメントコースとなった太平洋クラブ御殿場コース。このモニュメントにも、これから新たな記録が刻まれていく

若林市長「これからのスポーツ観戦のモデルケースを御殿場市としてつくりたい」

御殿場市の若林洋平市長もこのイベントに駆けつけ、3名のプレーを見守っていました。
若林市長のゴルフ歴は20年以上とのこと。今回の開催にあたって市長としての思い、そして御殿場市として対応についてお話を聞きました。

「主催者をはじめ、関係者のみなさんには、第7回特別大会とプロゴルファー生誕100周年の特別企画の開催地に、御殿場市を選んでいただいたことに感謝しています。

ゴルフをプレーする側から見ると、レジェンドたちが一堂に会して、御殿場市でプレーしていただけるのは本当にうれしいです。

開催にあたってさまざまな意見もあると思いますが、これまで御殿場市としてコロナウィルス感染症防止対策をしっかり行なってきた自負もあります。
それに、これから先のことを考えるなら、ここでちゃんとしたモデルケースをつくることができれば、ゴルフだけでなく、スポーツ界にとってもいい影響になるはず。そういう思いで、御殿場市として本大会の開催実現に向けて協力してきました。

今回、PGA会長の倉本プロが提案した日傘も、日差しを防ぎながらソーシャルディスタンスも守れるという素晴らしいアイデアですよね。
コロナ禍だからとあきらめてしまっては、何も始まらないけれど、この状況下でも前を向いて進もう、盛り上げて行こうと思えば、いろんなアイデアがでてくる。

富士山の見える良い環境の中で、思いっきりスポーツをしてほしい。これからも御殿場市はスポーツの街として、もっと力をいれていきたいと思っています」


インタビューに応じる若林洋平市長


会場内の御殿場市ブースでは、パッティングに挑戦できるオシャレなアトラクションが登場。スポーツの街・御殿場市の魅力を発信しました

会場内には地元御殿場の美味しい食事の販売エリアも登場。みくりやそばや渡辺ハム工房のローストビーフ丼(写真)が提供されました

御殿場市へ500万円を「新型コロナウィルス感染症対策推進基金」として寄附

全9ホールをまわった結果、トータルで5バーディを達成しました。そこで主催者の太平洋クラブに代わり、青木プロ・中嶋プロ・倉本プロの3名から、御殿場市へ「新型コロナウィルス感染症対策推進基金」として500万円が贈られました。

今回のチャリティーゴルフを振り返って、

「80年代にアメリカや国内ツアーを、青木さん、倉本さんと巡った当時の記憶がよみがえりました。青木さんの素晴らしいプレーを見ることができてうれしい。この状況下で、このような場を作ってくれた方々に感謝を伝えたい」(中嶋プロ)

「やはり、ギャラリーがいるのといないのでは、選手のプレーも違ってくる。コロナウィルスへの感染症防止対策をしっかりすれば、観客を入れた試合も実現できることを示せたのではないでしょうか。

今日は本当に楽しい一日を過ごすことができました。コロナ禍の中で大変な思いをして働いていらっしゃる方々がいます。少しでもその支援になればうれしい。われわれ900万円を目指していたので、500万円という結果が残念ですけれど(笑)」(倉本)

「僕らのように年齢差があっても楽しめるゴルフを、みなさん愛してください」(青木)

と、それぞれがインタビューに応えました。

コロナウィルス感染拡大を受けて、男女ともにレギュラーツアーが相次ぎ中止を発表する中で、PGAや太平洋クラブ、御殿場市が連携し、
さまざまなアイデアを出し合いながら、万全の対策を講じての開催となりました。

今回の「第7回マルハンカップ太平洋クラブシニア」開催がアフターコロナの新しいスポーツ運営のモデルケースとなることでしょう。

スポーツの街・御殿場として、今後もプロスポーツを盛り上げていきたいですね。


寄附金500万円が3名から若林市長へ「新型コロナウィルス感染症対策推進基金」として贈られました

チャリティーゴルフ終了後の中嶋プロ・倉本プロ・青木プロ。第33代富士娘 滝口恭加さん(左端)、第34代富士娘 芹澤春香さん(右から2番目)と一緒に

今回の「PGAシニアツアー 第7回マルハンカップ太平洋クラブシニア」が開催された太平洋クラブ御殿場コースの正門

特別協賛である(株)マルハンにとって“7”は大切な縁起のいい数字。そこで第7回大会は“特別大会”として、さまざまな企画が実現されました
text:森岡まこぱ / photo:飯田昂寛